映画って本当に良いものですねぇ~♪ ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

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ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

いよいよ11月、2010年ももう少しで終わりですね(;´▽`lllA``
夏が終わったと思ったら急に寒くなって来て、年末のせわしなさを思い出し
「もうこんな季節か~」と感慨にふけるしゅんです。

さて、11月最初の記事は本の紹介。
ダニエル・キイス著『アルジャーノンに花束を』です。
この題名を聞いて「どっかで聞いたような・・・?」と感じた方・・・鋭いですね
実はこの原作をもとに同名のドラマが2002年にフジテレビ系列で放映されています。
その時の主演はユースケサンタマリアさんと菅野美穂さんでした。
(参考:
アルジャーノンに花束を
個人的にはユースケさんを初めて俳優として認識したのがこのドラマでした。
また、菅野美穂さんは作中では精神薄弱者の支援をする学校の先生役なのですが
その暖かな雰囲気の演技に(当時は中学生でしたが)魅せられました(*^_^*)w
更に脚本が岡田恵和さんと言うことで、かなりの高視聴率が期待されましたが
平均視聴率は11.1%と残念ながらあまりふるわなかったようです^^;
しかし、この原作を読んで頂ければ、あのドラマの感動も二倍以上に大きくなると思います。
今回はこの作品を力を入れて!ご紹介したいと思います。

アルジャーノン

~あらすじ~
主人公チャーリー・ゴードンは精神年齢6歳程度と推定されている精神薄弱者です。
しかし、彼は幼少時に受けたトラウマ経験から「頭が良くなりたい」と強く願っていました。
そんな彼が日記(経過報告)を綴り、その視点から物語は展開していきます。
ある日チャーリーは、彼が通う精神薄弱者の学校で教師をしているアリス・キニアンの推薦を受けジェイ・ストラウス博士の元を訪れます。ストラウス博士は精神科医であると同時に脳神経外科医です。

ストラウス博士と心理学者のニーマー教授は知能(IQ)を劇的に向上させる手術を研究していました。そしてこれまでは動物実験のみを行っていたのですが、今回初めて人体を使った臨床実験を行うことになります。
そして、その被験者として選ばれたのが精神薄弱者の通う学校で最も「頭が良くなりたい」という思いが強いチャーリーだったのです。
ここで、ストラウス博士とチャーリーが初めて会った日にチャーリーが書いた経過報告の第一日目を少し引用したいと思います。
『けえかほおこく1‐3がつ3日 ストラウスはかせわぼくが考えたことや思いだしたことやこれからぼくのまわりでおこたことわぜんぶかいておきなさいといった。(原文まま)』
翻訳版なので原作とは厳密には異なる点も有るとは思いますが、表現と言う部分で
・漢字量が少ない。
・読点が無いため読みにくい。
・”は”と”わ”を理解できていない。
など、明らかな知能の欠落が見られています。

ストラウス博士とニーマー教授の面接・テストの一つには迷路課題が有りました。
そして、この時にチャーリーと共に迷路課題を行ったのがハツカネズミのアルジャーノンでした。このネズミはチャーリーが受ける手術を以前に受け、劇的に知能が向上したネズミです。チャーリーはアルジャーノンに勝ちたいと強く思いました。その様子を見た二人は、頭が良くなることがチャーリー自身の喜び(心理学的にはトークン(報償)と呼びます。)となり得ると確信し、チャーリーは晴れて知能を高める手術を受けることになります。

無事に手術を終えたチャーリーには早くも知能向上の成果が表れます。ここでは退院日の三月十五日の文章を引用します。
『三月十五日‐ぼくは退いんしたけれどし事にはまだもどらない。(原文まま)』
ここでは
・三月十五日等の漢字表記が出来るようになった。
・「けれど」等の接続詞が正しく使える。
といった形で知能の向上が表れています。

その後もどんどん知能が向上していくチャーリーは、過去に自分が働いていたパン屋での生活を思い出します。
そして周りの人がいつも笑っていたのは、精神薄弱者であるチャーリーの行動に対する嘲笑であった事に気づきます。
そして人から見られて恥ずかしいという感情を手に入れます。実験の中でチャーリーの経過をビデオ録画したり、チャーリーの様子を書き留めたメモを公開されることに恥ずかしさを感じ始めます。こうした形で、知能が向上していくチャーリーの周りには徐々に人がいなくなっていきました。それまでチャーリーをからかいながらも、チャーリーの周りにいてくれたパン屋の同僚はチャーリーの変化を恐れ始め、ついにはパン屋から追い出されてしまいます。
そしてチャーリーの先生であったキニアンも自らの知能を超えたチャーリーに対し恐れを感じ始めます。
それが表現された六月六日の経過報告を引用します。
『六月六日‐今日初めてアリスと諍いをする。 (中略) 彼女は持っていた本を叩きつけるように置いた。「いいわ。知りたいのね?あなたは前とは違ってしまった。変わったわ。あなたのIQのことを言ってるんじゃないの。他人に対するあなたの態度よ―自分は同じ人種じゃないとでも―」 (中略) IQ百八十五の私は、IQ七十であった私と同じくらいアリスとかけはなれているのだ。そして今度は二人ともそれを知っていた。』
こうしてチャーリーの周りの人たちはチャーリーに対し恐れを抱き、以前のように親しく付き合える人はいなくなっていきました。

チャーリーの知能はその後も向上し続け、ストラウス博士やニーマー教授の知能をも凌駕します。そして様々な専門書や最新の研究報告等から、自らが受けた手術のミスに気づいてしまうのです。
チャーリーはその悪い予感を払拭しようとしますが、チャーリーより先にその手術を受けたアルジャーノンに知能低下の兆候が見られ始めます・・・。
そして、チャーリーは知能低下が顕著になったアルジャーノンを観察しながら一本の論文をまとめます。(八月二十六日)
その論文は『人為的に誘発された知能は、その増大量に比例する速度で低下する』ことを証明したものでした。
証明を実証するようにアルジャーノンが命を落とします。(九月十七日)
『アルジャーノンの亡骸を小さな金属の容器に入れ、(中略)愚かしく感傷的な行為だけれども、ゆうべ夜が更けてから彼を裏庭に埋めた。墓に野の花を供えながら私は泣いた。』

その後チャーリーの知能は著しく低下を始めます。幻覚が見え始め(十月四日)、経過報告を書くことが億劫になり(十月五日)、記憶が曖昧になり思いだせなくなり始めます(十月十七日)ここへ来てチャーリーは自らまとめた論文についても記憶が無くなり、理解することが出来なくなります。ここで十月二十五日の報告を引用します。
『十月二十五日―退化進行。タイプライターの使用を諦めた。総合作用が非常に衰えている。(中略)もしこのまま新しいものを読んだり学んだりしていったら、例え古いものは忘れていっても、わずかな知能でも引き留めておけるかもしれない。』
その前の報告で『最後に覚えたものを最初に忘れる』と記載していながら、このような無駄なあがきを始める所が読者としては何とも悲しくなってきます。

そして十一月十八日、チャーリーはもといたパン屋で再び働き始めます。
『おまえにわともだちがいるってことをおぼいといてもらいたいなそれを忘れるなよといった。(中略)ともだちがいるのわいいものだな・・・・・・』
明らかに知能が低下しています。しかし、知能の低下と引き換えにチャーリーは一度失った友達を取り戻します。
知能の向上によって普通の人以上に様々なことが理解できる代わりに一人ぼっちの生活と、知能は低いけれども友達に囲まれる生活。私自身は幸福にも知能には不足はない(はず)ですが、これは私達普通の人間にも当てはまることのような気がします。
何でも一人で出来るけれども誰からも相手にされない(信頼されない)のと、多少ドジを踏むことは有っても、その時に助けてくれる友人に囲まれている人生ではどちらが良いだろうか・・・。そんなことを考えながら涙しました。

十一月二十一日、最後の報告になります。
『ひとがわらたり友だちがなくてもきげんをわりくしないでください。ひとにわらわせておけば友だちをつくるのわかんたんです。(中略)ついしん。どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください。』
様々な事を忘れたチャーリーでしたが、アルジャーノンのことだけは忘れずにいることが出来ました。チャーリーにとってアルジャーノンと過ごした時間、天才として過ごした時間は本当に幸せだったのか?また、このメッセージは人に笑われることを恐れるニーマー教授に宛てたものですが、「人には笑わせておけば友達を作るのは簡単だ。」というチャーリーの言葉には、普通の人が恐れてしまうものにも堂々と向き合う力強さのようなものを感じます。知能が高い(はず)ニーマー教授に対し、人間としてより根源的なものをチャーリーが伝えているような気がします。それはチャーリー自身が天才と精神薄弱者の両方を体験したから得た教訓なのでしょうか?
私は違うと思います。
精神薄弱者として社会からある種のレッテルを貼られながらも、その人生を気持ちよく生きていたチャーリーの心からの思いだったのだと思います。




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